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第3回高校生ロボットシステムインテグレーション競技会に参加してきました!

みなさんこんにちは!

 

12月もいよいよあと1週間程となりましたね。

 

タイトルにもあります通り、今回は「第3回高校生ロボットシステムインテグレーション競技会」に、熊本県立鹿本商工高等学校が参加されるため、サポーター企業として私と、元・ロボットセンター長の小本の2名で愛知県国際展示場に行って参りました!

 

高校生ロボットシステムインテグレーション競技会とは?という方のために簡単にご説明いたしますと、本競技会は産業用ロボットを活用してシステムを実際に構築する競技会となっております。

 

本大会では予め課題が決められている「メーカー部門」と課題を自由に設定する「オープン部門」の2種類がございます。

 

「メーカー部門」では各ロボットメーカーからロボットが貸与されて、その他の周辺機器を組み合わせながら難しい課題(お菓子の箱詰めやボールペンの組立など)をクリアできるシステムを作ります。

 

対して「オープン部門」では課題設定から自分たちで設定するため、一見こちらの方が簡単そうに聞こえますが、そもそもの課題を設定すること自体ハードルが高く、個人的には「オープン部門」の方が大変だろうなぁと思っておりました。

 

時を遡ること10か月。2024年の2月に私から鹿本商工の先生にメールを送りました。要約すると以下のような感じです。

 

「第3回高校生ロボットシステムインテグレーション競技会というのがあるらしいです。実際のシステムを作る大会で面白そうですよ。申込期限は3日後です。ご検討くださいませ。」

 

 

もうね、先生もびっくりですよね。案内がきたかと思いきや、申込期限が3日後ですからね?いま改めて読み返してもメールの送信者は「どうかしてるぜ!」って思いますね。(画像はイメージです)

 

でもね、先生もどうかしてました!!(良い意味で)

 

申込期限3日前の案内にも関わらず、ダッシュで申込書を記入していただき、エントリーをしてくれたんです。

そんなバタバタから始まった今回のロボットシステムインテグレーション競技会

 

4月に今回のプロジェクトチームである学生6名とシナジーシステムの小本、私と初対面。自分たちがロボットで何をさせるのかの課題設定からスタートです。

 

 

我々も初参加ということもあり、正直言って何をしていいのか分からないというよりどこまで入り込んで良いか分からない状態でしたので、基本的には質問があれば答える程度しかできず、思い返せば大したサポートはできていなかったかと思います。

 

始めはロボットでけん玉をさせることに挑戦し、けん玉を固定するハンドの形状や材質、ロボットの加減速の設定など色々試行錯誤しながら3ヶ月程経過しました。

 

 

3ヶ月経って気づいたんです。

 

「このロボットのパワーじゃ上がらなくない?」と。

 

 

けん玉をするロボット自体は、youtubeでも複数あり、ティーチングがしっかり決まればいけるものだと私は思っておりました。

 

結果として、youtube上のロボットと学校にあるロボットでは肝となる関節を駆動させるモーターの力に3倍近い差があることがわかり、ここで大きな壁にぶち当たってしまったわけです。

 

 

そしてここがオープン部門の一番難しいと思う点です。

 

メーカー部門の与えられている課題というのは、我々から見ても「アレとアレを組み合わせたらできるだろうね」っていうのがなんとなく想像できますし、そもそも無理難題というのは設定されないわけです。

 

でもオープン部門はそもそもできるかどうかも分からないことを課題として設定してしまった場合、そこに気づくまでに多くの時間を使ってしまうと取り返しのつかないことになってしまうのです。

 

でも彼らは諦めませんでした。

 

相当悔しかったはず。相当気持ちが折れかけたはず。8か月の内の3ヶ月を使って振り出しに戻ってしまったわけですからね。

 

そして、また0から課題の設定から始めました。

 

 

でも本当は0からじゃないんですよね。けん玉の失敗から、本当にロボットのできることや、苦手とすること、また行う動作が本当にロボットでできるのかという視点を加えて新たな課題を設定していきました。あとけん玉が上手にできるようになっていました。

 

「ペンを持たせて文字を書かせてみよう。」

 

これなら速度は関係ないし、重いものでもないので無理っていうことはないはず。

 

でも私はこの時は思いもしていませんでした。まさかあんなことになるとは・・・

 

生徒の皆さんは3年生ですので、夏には就職活動があります。面接の練習であったり、履歴書の作成であったり、それ以外にも通常の授業や体育祭だってあります。その上、大きく圧し掛かるけん玉で費やした3ヶ月のビハインド。

 

当初は授業の一環である課題研究の時間と夏休み期間頑張れば間に合うかな?と思っていたのですが、そんなことは全然ありませんでした!!毎日とまでは行きませんが、終盤はほぼ毎日放課後に活動されていたのではないでしょうか?

 

私達サポーター企業というのは、毎回サポートしに行くわけではなく、大体平均すると月に1回ぐらい進捗状況を確認して、質問があれば回答して、危険だと思う点や行動に関しては注意喚起する程度でしたので、正直言って彼らの作ったプログラムの中身までは見れていません!(オイッ

 

そして出来上がった「達筆な代筆くん」がこちらです!!

 

 

こちらは「ペンで任意のひらがなを最大35文字まで書くことができる」ロボットです!

 

一般の方からしたら「字を書くだけ?」とか思われるかもしれませんが、我々からするとこれがいかに大変かというのが分かります。

 

最大の苦労ポイントはなんといっても「ティーチング点数の多さ」でしょう。

 

ロボットは基本的にはA地点とB地点をまっすぐ動かす直線の動きと、A地点から始まりB地点を経由してC地点へ円弧状の動きをさせる曲線の動きがあります。

 

ひらがなというのは非常に多くの曲線があり、これを綺麗に再現するためには、小刻みにティーチングポイントを設定して歪みのない字体を表現させなければいけません。

 

そしてこのロボットに教え込ませたティーチングポイントの数は、驚異の770点!!

 

 

えっと・・・うん。やばすぎでしょ!!

 

 

ざっくり1点ティーチングするのにも、大体ロボットを手動で動かす、ポイントを登録するという作業で2分程は要します。それを770点ですからね。しかも一発で綺麗なティーチングができるわけでもないでしょうから、手直しも含めると1.5倍の数はティーチングしていると思うんです。

 

私は3~4年程前からロボットの出前授業に行っており、その都度ティーチングは行っておりますが、毎回ティーチング点数は10点未満ですので、この半年で生涯ティーチング数を抜かれてしまったと思います!!

 

そしてその苦労の成果がこちら!!

 

 

めちゃくちゃ綺麗じゃないですか!?これロボットで書いたひらがななんです!!

 

そんな「達筆な代筆くん」で挑んだ今回の高校生ロボットシステムインテグレーション競技会ですが、愛知県国際展示場で開催されました。

 

メーカー部門は11校、オープン部門には5校が出場しておりました。(鹿本商工高校はオープン部門)

 

この内、最優秀賞はメーカー部門から1校、そしてメーカー部門の中にも更にロボットメーカー毎に部門があり、各メーカー部門の1位が優秀賞、オープン部門の1位から優秀賞がそれぞれ1つずつ選出されます。

 

各メーカー部門のエントリー数は以下の通りです。

デンソーウェーブ部門・・・3校

ファナック部門・・・2校

FUJI部門・・・3校

三菱電機部門・・・3校

 

 

おや?オープン部門は5校で賞は1つ・・・・

 

 

あれ?倍率高くないです?

 

 

まぁでも今年は初参加ということもありますので、担当の先生も「今年はまずは参加して、恥ずかしくないシステムを完成させることを目標に・・・」と仰っていましたので、我々サポート側も実は「絶対優勝!!」というよりは「無事に成功してくれー!」という気持ちでおりました。

 

 

始めはプレゼンテーション審査でした。

 

 

限られた時間の中で、挑戦したこと、失敗したこと、乗り越えたことなどをとても分かりやすく発表してくれました!

 

ロボットアイデア甲子園といいロボットシステムインテグレーション競技会といい、若い学生のプレゼンテーション力には本当に驚かされますね!!

 

続いては、デモンストレーション審査です。デモンストレーション審査では、実際の実機の前でロボットの動きだけでなく、どうしてそういった機能を追加したのかや工夫した点などを約10分に渡って説明をしてくれました!

 

 

途中でプログラム担当の森くんの暴走(笑)もあって、すこし周りは焦っていましたが、無事デモンストレーション審査も終えることができました。

 

森くんの暴走とは

当初予定していた台本には無かった「自由に書ける機能」の説明を追加したこと。なお後になって本人に聞いたところ、「この機能を小本さんと楠田さんに見せた時の反応が良かったので、つい入れちゃいました!」ということでした笑

 

他校のロボットシステムも面白いものが多かったので、一部をこちらで取り上げていきますね!

 

もぐら叩き!!エアシリンダでもぐらが昇降するのですが、前面と背面にそれぞれ5個のスイッチボックスをつけており、背面側がもぐらの昇降、前面側がロボットの移動を担っており、もぐらが上がっているタイミングでロボットを移動させることができれば、近接センサが反応して成功ブザーが鳴るという仕組みです!

 

お察しの通り、会場に来た小学生達は楽しそうに遊んでおり、最後の方はもうモグラがくたびれてボロボロになってました!

 

 

 

デモンストレーション審査を終えたら後は審査結果を待つだけ・・・とはいかないんですよね!!

 

今回の競技会は「あいちロボフェス」と「World Robot Summit 2025 プレイベント」と同時開催しており、2日間で延べ6030名の来場者がいらっしゃいました。

 

その多くが小学生以下のお子様を連れたご家族でしたので、当然会場内にある高校生が作ったロボットシステムにも興味深々!!

 

 

学生の皆さんは交代で来場者対応を行っておりました!!

 

途中でSKE48の相川暖花さんと浅井裕華さんとのトークセッションもあったりして、思春期の男の子にとってアイドルと話せるというなんとも羨ましいイベントもございました!!※撮影禁止だったので素材はありません!

 

そんなこんなであっという間に1日目が終わりに近づいて、いよいよ審査結果の発表となります。

 

 

 

表彰式では当社も所属しております、一般社団法人日本ロボットシステムインテグレータ協会の久保田会長の挨拶に始まり、最初にオーディエンス賞・アイデア賞・技術賞の発表です。

 

 

鹿本商工高校は・・・・

 

 

 

 

 

受賞ならず!!

 

 

 

私の記憶では新人賞っていう枠があったような気がして、そこなら倍率低いんじゃ?と思っていたんですが、なぜかありませんでしたね!

 

 

そして各部門の1位となる優秀賞(最優秀賞は除く)の発表です。オープン部門は最優秀賞には選ばれませんから、実質ここがオープン部門にとっての1位発表ということになります。

 

 

 

 

 

優秀賞は・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

熊本県立鹿本商工高等学校です!!

 

 

 

 

 

 

小本&楠田「ええええええええええぇぇぇぇぇぇ!?」

※2人そろって本当にこの反応でした。

 

 

 

 

 

 

いやー!本当におめでとうございます!!!

 

 

 

8か月間という長いようで、システムを構築するには短かった期間ですが、6名の学生をはじめ担当の山﨑先生、中村先生本当にお疲れ様でした。

 

 

今回の競技会を通して、ものづくりの楽しさだけでなく大変さというのも体験されたかと思いますが、できた時の達成感というものは作った人にしか分からないものだったかと思います。

 

最初はロボットシミュレータの起動の仕方も知らなかった生徒たちが、ある時を境に「あれもできるんじゃない?」「これって動き追加できる?」といった発想をし、それを実現させていく姿はまさにロボットシステムインテグレーションそのものでした。

 

そして本大会を通して私が一番嬉しかったことは、6名の内のある学生が当社ではないのですが、県内のものづくり企業に内定をもらっており、そこで「入社後にはロボットの制御をしてもらいたい」と言われましたと伝えてくれたことです。

 

今回の競技会に参加していなければ、もしかすると必然的に同じ就職先に内定をもらっていたかもしれませんが、恐らく同じ就職先には就いていなかったと思います。

 

教育を通して、学生がやりたいことを見つけてくれたというのは私達にとってはとても喜ばしいことです。

 

また6~7年後ぐらいに、今度はシナジーシステムのクライアントとして仕事の話ができたらとても嬉しいですね!!

 

今回は、愛知県で開催された高校生ロボットシステムインテグレーション競技会の結果ご報告でございました!!

 

興味のある方は是非検索して調べてみてください!熊本県内の高校であれば、来年も恐らく当社がサポーター企業になると思います!

 

それでは今回はこの辺で!!

 

最後はロボットで書いた受賞報告メッセージでお別れいたしましょう!!

 

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