ご報告が遅くなりましたが、12月2日に東京ビッグサイトにて「2023ロボットアイデア甲子園全国大会」が開催されましたっ!!
全国21開催地より25名の代表生徒が各々が考案したロボットアイデアの発表を行い、最優秀賞受賞を目指す大会なのですが、本日はその様子を記事にしたいと思います!!
大会前日の夜には、熊本代表生徒さんと南九州代表生徒さん、それぞれ引率の方々と、熊本大会で審査員をしていただいた方、そして当社代表及び国際ロボット展を見学にきた社員数名を交えて会食を実施しました。
飛行機に30分程遅れが出たため、1組は遅れての合流となりましたが、大会前に少しでもリラックスしていただこうと思い計画いたしました。とても楽しい会食でございました!
日付は変わり大会当日の12月2日
開場が一般開放される前に発表者は会場入りをして、発表ルール等のガイダンスなどを受けます。
私は来賓対応のため同席できなかったのですが、その後の様子を見ているとやはり大会本番というだけあって、少し緊張しているように見受けられました。
あれ?あんまり緊張していない?
他エリアの女子生徒さんと女の子同士でキャッキャしてましたね!
そうは言っても会場は終始満席状態で立ち見が出るほどの注目っぷりでございました。
大会が始まると、審査員やご来賓の紹介などが着々と終わり、いよいよ「準決勝」のスタートです。
「準決勝」では80秒間という非常に短い時間の中で、ポスター1枚をベースにプレゼンテーションを実施するわけなのですが、これがまた狭き門となっております。
全国21エリアから計25名の代表生徒が1人ずつ発表するのですが、この内決勝にコマを進められるのはわずか10名のみ。
本当は皆さんに5分間のスライドプレゼンテーションを実施していただきたいのですが、おかげ様で毎年エントリー者数も増えており、それに伴い全国大会出場者も増えてきたため、時間の都合上どうしても全員に5分間プレゼンを実施していただくことができないというジレンマを運営側も抱えております。
私が担当したエリアは「熊本」と「南九州」の2エリアとなっており、計3名の代表生徒が全国に出場いたしました。
「南九州」代表生徒は昨年度も全国大会に出場しており、惜しくも決勝に進むことができませんでしたので、今年はなんとしてでも決勝へ!そして最優秀賞受賞を目標に1年間勉強とロボット両立しながら頑張ってきたようです。地方大会で全国大会代表権を獲得した際には、昨年度の全国が非常に悔しかったのでしょう、美しい嬉し涙を流すシーンも見られ、思わず私含めて会場全体の涙腺が緩みました。
「熊本」代表生徒はロボコン部に所属する「THE・ロボ女(じょ)」でして、実は熊本大会予選会では同じくロボコン部の男子生徒も一次審査を通過したのですが、ロボコンの大会があるため「俺はロボコンの方に専念するから、甲子園は辞退する。だから代わりに優勝してきてくれ」という想いを託されて全国出場権を獲得しました。なんかショート映画が作れそうなストーリーで胸熱ですよね。
また、もう1名の「熊本」代表生徒は、昨年度の全国大会の様子を徹底的に分析し、研究に研究を重ねてアナウンサーばりのハイレベルなプレゼンテーションに仕上げておりました。彼女は機械科でありながらイラストが趣味であり、絵心もそうですが、とても色覚センスが素晴らしい生徒でして、個人的に「シナジーシステムの広報素材作ってくれ」と言ったら「業務委託という形で先生を通していただければお受けいたします。」と言ってくれました。ちょっと本気で色合いとか教えてもらいたいです。
そんなそれぞれの頑張りや、思いを近くで知っておりましたので、「頑張れ!」とかよりも「なんとしてでも全員決勝に進んでくれ!」と神様に祈るような思いでおりました。
本年度は北から順番に発表でしたので、熊本・南九州は最後の方です。他エリアの発表を聞いたあとに発表するのは、きっとかなりのプレッシャーだったかと思います。
まずはじめに発表したのは、
熊本大会代表者①
熊本高等専門学校 制御情報システム工学科 3年生
鍋島 優羽さん
タイトル「Ramen Robot “大将”」
産業用ロボットの人の腕のような動きと、大好きなラーメン、そして海外留学生との会話の中で出てきた「海外ではラーメンと言ったらカップヌードルという認識だよ」という驚きの事実から、このアイデアを思い付いたそうです。
個人的に彼女のアイデアで驚いたのが、地方大会の際に審査員との質疑応答の中で「いろいろな道具を持たせると思うのですが、ロボットハンドはどう考えてますか?」というちょっと難しめの質問が出ていたんです。その時は、「ハンドの部分は具体的にはまだ考えていませんでした」と答えていたのですが、きっとその質問がロボ女(ジョ)のハートに火を付けたのでしょう。
「そもそもハンドを変更するのではなく、1つのハンドで色々なものを掴めたほうが効率がいい。であれば、共通アタッチメントを道具側に取り付ければいいのではないか」
全国大会前にこのアイデア見た時には、ビックリしましたね。設計者からしたら当たり前なのかもしれませんが、18歳の子がその発想をするって・・・この子は末恐ろしい子ですよホント。
質疑応答では、特別審査委員のファナック株式会社の方がご担当されました。
実は彼女・・・ファナックの大ファンだったんです。そのため、大会後にはX(旧Twitter)でも「憧れであるFANUC株式会社様の方からコメントを頂き感無量です」と呟いておりました!
ファナック様、どうか彼女を工場見学にご招待くださいませ。(切実)
続いての発表は、
熊本大会代表者②
熊本県立天草工業高等学校 機械科 3年生
金子 彩香さん
タイトル「食品ロス・ロス・ロボット」
年間600万tを超える食品ロスが出ており、この資源の無駄遣いを解決するために、このロボット内で肥料にできるものとできないものを仕分けて肥料化するという、非常に環境にやさしいロボットを考えてくれました。
まず目につくのは、そのデザイン性!真ん中にあるロボット(通称ロロロ(ろろろ)くん)のなんとも愛らしい姿。見る人の目にも優しい色合いで、全25枚のポスターの中でも一番目立っていましたし、一番センスを感じられました。
ただ、彼女のアイデアってデザインだけではないですよ。要は生ごみとそうでないものの仕分けですよね。そして市販もされている生ごみの肥料化機械の融合です。これってありそうでないんですよ。
おそらくほとんどの方は、生ごみを再利用するのは良いことと思われていると思います。でもほとんどの方は、生ごみは排水溝ネットに溜まったものを、紙にくるんで燃えるゴミに出されていませんか?燃えるゴミに出されたものは、結局焼却されて再利用はされないんですよ。たとえ、肥料化の機械を買ったとしても、最初の内はきちんと分別して投入し使用するでしょう。でも、段々とこの”仕分け”が面倒になってくるんですよね。そうなると、面倒くさいから燃えるゴミに出しとこうってなっちゃうんです。
いいことと分かっているのに面倒が勝ってしまうというのは悲しいけどこれ人間の性なのかな?それとも私だけでしょうか?
そんな面倒くさいを取っ払ってくれるのが「ロロロ(ろろろ)くん」なんですね~。とても良い着眼点だと思いましたよ!
質疑応答では、特別審査委員の株式会社不二越の方がご担当されました。
開口一番に、中央にあるイラストを褒められて思わず笑顔がこぼれちゃってますね!
不二越様!彼女への広報物作成依頼は、”私”を通してくださいねっ!
続いての発表は、
南九州大会代表
鵬翔高等学校 特進英数科 2年生
唐金 美羽さん
タイトル「新しい空港のリーダーZOO」
推しのライブに行くためによく空港を利用する彼女は、グッズの販売が楽しみの1つ!しかし、もし飛行機の発着が遅れてしまったら、大好きな推しのグッズを見る時間がなくなってしまうのですから、そりゃもう大変です!激おこプンプンです!
そんな彼女は、「なんで飛行機って遅れるんだろう?」と調べてみたところ、空港の手荷物検査が毎回長蛇の列ができているのを見て、「手荷物検査の時間が短縮できれば、飛行機の発着もスムースに行くのではないか?」と思いこのアイデアを思い付いたそうです!
私も初めて知ったのですが、手荷物検査には資格を持った人が必ず必要で、人手不足もあり手荷物検査レーンを増やしたくても増やせない状況にあるそうです。
昨年度同様オリジナリティ溢れるイラストに加えて、経済効果・販売台数とおすすめ台数セットを提案するなど、「このプレゼンは航空会社の前で行ったら採用されるのでは?」と思うような素晴らしい内容でした。
これはプレゼンとは関係ないんですが、私は彼女の家族がとても羨ましく、すごく仲が良さそうなんですよね。今年もご両親が会場に駆けつけられて、プレゼン後にもご両親とアイコンタクトを取って笑顔を見せていたりと、とてもほっこりしておりました。
質疑応答では、特別審査委員の三菱電機株式会社の方がご担当されました。
三菱電機様は航空システム関連事業もされておりますので、ぜひ「新しい空港のリーダーZOO」の商品化をご検討くださいませ!
そんなこんなで、「準決勝」も終わり、一時昼休憩となりました。昼休憩中に、準決勝の審査を行い「決勝進出者」の発表が行われるわけなのですが、そろそろ発表の時間だというのに熊本代表の鍋島さんの姿が見当たらない!
迷子か!?誘拐か!?連絡もつかない!どうしよう!と思っており、やっと電話が繋がりまして「今どこ!?そろそろ一次審査の発表だよ!」と言ったところ
「すみません!!ファナックのロボット(発表会場からかなり離れている)見てました!」とのこと。
さすが「ロボ女(じょ)」
ちなみにファナックさんの展示はダイナミックな展示物でございました。
そしてとうとう一次審査発表の時間です。
北から順番に一次審査通過者の名前が読み上げられ、残り2名というところまで来ました。この時点で3名ともの通過の可能性はゼロとなり、あとは誰か決勝に残ることはできるのか・・という状況になりましたが・・・
事務局「熊本大会代表 鍋島さん 南九州大会代表 唐金さん 以上10名が決勝進出となります。」
ポスターセッションの内容を聞いており、3名とも行ける!と思っていたのですが、やはりここは全国大会。惜しくも金子さんは決勝へと進むことはできませんでした。
しかし、本年度の熊本大会は全国で最多エントリーエリアとなっており、金子さんは激戦区熊本を勝ち上がってきた素晴らしい実力の持ち主です!!私が言うのもなんですが、本当に胸を張ってください!!
決勝へ進んだ生徒は控室で、決勝へ向けたプレゼンの練習をしたり、各々が自由に時間を過ごしておりましたが、やはり決勝前ということもありかなり緊張が高まっているように見受けられました。
そしていよいよ「決勝」がスタートしました。
準決勝同様に、北から順番に発表となりますので、鍋島さん・唐金さんがトリと大トリでの発表になります。
発表前の様子。真剣な表情で、前の発表を聞いています。
そしていよいよ熊本大会代表 鍋島さんの番です。
熊本大会の時も素晴らしいプレゼンだったのですが、さらに発表のレベルが上がっておりました!
後から聞いた話ですが、甲子園の練習をするために、レポートを一つ犠牲にしたとおっしゃっておりました。高専の先生ごめんなさいっ!!
スライドの中では、当社のロボット展示・活用センターのセンター長に依頼があった、実際のロボットでの湯切り動作シミュレーション動画も挿入されており、会場中が沸いておりました!!
彼女の大好きなファナックのロボットですが、センター長はその情報は知りませんでしたので、本当にたまたまです!!
これも後日談なのですが、この撮影をした後に、センター長の中では「なんか違う。湯切りってもっとこんな直線的な動きじゃない」ということで、個人的にバージョンアップした動作プログラムを作っておりました!
さすが「ロボ男児」!!
質疑応答を行われた、ヤマハ発動機株式会社様からは、「本来であればファナックさんが担当した方が良かったのでしょうが・・」というジョークで会場に笑いが起こるなどしておりました。
質疑応答も、実は彼女のスライドの中には事前に想定される質問に対する回答スライドを準備するなど、流石としかいいようが無い用意周到ぶりでした。(使いませんでしたが)
そして、大トリ 南九州大会代表 唐金さんの発表です。
なんでしょう。子供って言ったら失礼かもしれませんが、成長ってすごい早いと感じました。
昨年度は「ワサビ男子」というアイデアで、寿司職人の技術をロボットに教えて、海外でも活躍できるロボットを提案されておりました。
今年はより社会性の高いアイデアとなっており、スライドの内容(減価償却や、空港以外での利活用方法など)が格段にレベルアップしておりました。
でも、個人的には「ワサビ男子」もなかなかインパクトのある顔色のロボットで好きでしたよ!
近い将来、本当にこのようなロボットは出てくると思いますね!
質疑応答を行われた、副審査委員長からは、「これは時間短縮になるのでしょうか?時間がかかってしまいそうですが…」という厳しめの質問に対しても、「このシステムでは事前に搭乗者が手荷物をセットしているため、検査自体にかかる時間は10秒程度になると考えています。」と、しっかりと事前に検討をしており、会場を唸らせておりました。
唐金さんの発表が終わると、最終審査のために一時休憩です。
発表の終わった学生の表情は、緊張が解けたのもありとても和やかな表情をしておりましたのでパシャリと撮影いたしました。
もうあとは、結果を待つのみなのですが、正直数年前に心臓手術をした身としては、非常に体によくない時間でございました。
そしていよいよ、「表彰式」です。
始めに特別協賛企業章の発表です。
1人・・また1人と別のエリアの発表者が呼ばれていく中・・三菱電機賞の発表の時・・・
司会「三菱電機賞は
南九州大会代表 鵬翔高等学校 唐金 美羽さんです。おめでとうございます」
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
昨年度はヤマハ発動機賞を受賞されており、2年連続の特別協賛企業賞受賞となりました!!
ただ、本人はあくまで狙うは最優秀賞だったため、やはり悔しい気持ちが強かったそうです。いやでもホントすごいですよ。
三菱電機株式会社 寺田様との写真撮影
そして特別協賛企業賞のすべての発表が終わり、残るは「準優秀賞」と「最優秀賞」のみとなりました。
司会「準優秀賞は…・(ドラムロール)・・・・・
・・・・・・・・・愛知大会代表 ○○さんです おめでとうございます!」
(くぅっ!ダメだったか・・・いやでもまだ最優秀賞がある!きっといける!大丈夫!)
司会「いよいよ 最優秀賞の発表です 2023ロボットアイデア甲子園全国大会 最優秀賞は・・・・・・(ドラムロール)・・・・・・
(ドクンッ ドクンッ)
熊本大会代表 熊本高等専門学校 鍋島 優羽さんです おめでとうございます!」
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
いやー、シナジーシステムに入社して6年になりますけど、思い返してもこの時が一番嬉しかったんじゃないか?
鍋島さんがてっぺん取るのを信じて、近くの席に待機して動画を回していたんですが、とても良い画が取れましたので、ちょっとだけ貼り付けます。
後日談ですが、この受賞発表のタイミングの動画を、鍋島さんのお母様にお送りしたところ
「私の席からは娘の席まで少し離れていたので、最優秀賞発表のときの動画を見ることができてとても嬉しかったです。発表の瞬間は昔の松田聖子のレコード大賞みたいなリアクションでしたね。みんなこんな風になるんだと発見でした。」というメッセージをいただきました!!喜んでいただけて幸いです!
最優秀賞受賞者インタビュー「私の夢は、ロボットエンジニアになること」という言葉が始まり、会場が歓声に包まれました。
これから先の日本を牽引していくような、素晴らしいエンジニアになれると信じております!!菊池市から応援しておりますね!
日本ロボットシステムインテグレータ協会の久保田会長との写真撮影(会長の目線が別の所にありますが、こちらの方が鍋島さんが可愛いらしく写っていたのでこれを採用!)
大会最後はみんなで「ロボットアイデア甲子園ー!」(本当はみんな良い表情をしておりましたので、モザイクかけたくなかった・・・)
大会終了後には、前回私が担当させていただいた沖縄大会代表の中原くん(今年はカサイエレック株式会社様がご担当)と一緒に記念撮影!
表情が真面目だったので、沖縄代表の中原くんに「あれあれ!沖縄ジョークお願い!」と無茶ぶりをしたところ
中原くん「そんなんないっすよー!」と言いながら良い笑顔が撮れましたので貼っておきますね。
最後はJK3人でオフショットを1枚
皆さん当日帰りは困難だったため、翌日に少し東京を見て無事帰宅されました!(私は、会社の人に頼まれたVtuberのグッズを探し求めて秋葉原をウロウロしておりました)
さて、今回のブログは過去に例がないぐらいのボリュームだったのではないでしょうか。(軽く5時間はかかりました)
ロボットアイデア甲子園は、確かに学生にロボットに触れてもらって、これから先の次代を担う人を増やしたいという目的もありますが、どちらかというと我々大人が子供の柔軟な発想や、一所懸命の姿を見て刺激や発見をもらうイベントの様な気がいたします。
ということで、ここで告知をば!
2024ロボットアイデア甲子園は、例年同様「熊本大会」は当社が運営を行います。また、本年度は「南九州大会」という名で実施しました大会は「宮崎大会」と「鹿児島大会」に分けて実施しようかどうかを迷っております。「宮崎大会」については、本年度ご協力いただきました「九州コガネイ」様に継続協力のご依頼をさせていただきますが、「鹿児島大会」の実現には地元ものづくり企業様のご協力が必要でございます。
もし、鹿児島大会の運営(ロボットセミナー会場の貸し出し、学生の工場見学)にご協力いただける企業様がいらっしゃいましたら、以下の連絡先までご一報くださいませ!!
シナジーシステム株式会社
管理部広報 楠田
0968-36-9111
kusuda@synergy-s.co.jp
また、本年度も非常に多くの企業様に、地方大会ご協賛をいただき、誠にありがとうございました。
大会運営にあたりましては、ご協賛企業様のご協力なくしての実現は困難となりますので、是非次回大会もご一緒に九州のものづくりに興味のある若者へのご協賛としてご協力いただければ幸いでございます。
文字数8000(原稿用紙20枚分)近くになりそうなので、本日はこのあたりで!
See You Next My Funny Blog!!
余談ですが、大会会場で他会場の田○さんに言われたんです。
「Kさん(私)、 (学生たちの発表資料の作成を)相当手伝ったでしょう」と!
田○さん!!私こんなセンスないし、まとめるの下手ですし、そもそもCADとか使えませんよ!!
それでは!!